調剤システムについて
当科の調剤はロボット化などのシステム化と電子カルテとの情報共有を積極的に進め、効率的な調剤業務と調剤におけるヒューマンエラー減少を目標としています。
電子カルテとは従来の処方情報のみならず、患者プロファイルや移動情報(入院、転棟)、持参薬情報、配置薬の実施情報、病棟業務の実施情報などを相互連携することにより効率の良い業務連携を進めています。
ヒューマンエラーの減少を目的とした調剤システムとして下記のシステムで運用を行っています。
- 散薬調剤の自動化
- ピッキング時、最終監査時の2段階認証システム
- 1施用袋とじ方式の注射払出システムとバーコード認証システム
- 返品注射薬の自動化システム
- 持参薬の自動認証システムと電子カルテ連動
散薬ロボット
散薬調剤の自動化
電子カルテからのオーダー受診、1次監査後の処方データーを利用しフルオート調剤を可能とした散薬ロボット。
工業用ロボットアームと2枚の大型R円盤により最大6種類の混合調剤が行え、186包分包が可能。
内部カメラにより分包状態の記録を動画と秤量結果を数値どグラフで記録できるトレーサビリティー機能
薬品選択、秤量も含め全工程をロボットが調剤。散薬調剤の70%の自動化を実現している。
自動化により調剤ミスはなくなり、薬剤師が調剤業務に携わる時間短縮により、業務転換が可能になった。また当直時等,薬剤師1人の時間帯における調剤ミスのリスクが軽減しました。
2段階認証システム
オーダー情報と照合し薬品、薬袋などを全てバーコード認証
ピッキング、最終監査を2段階でバーコードにおり認証します。ピッキング時はスマートデバイスを利用して認証、最終監査時にはオーダー情報と医薬品、薬袋等を全てバーコード認証し、特に投薬時、監査時の薬袋を入れ間違え、情報提供書/お薬手帳の入れ忘れ防止の徹底を図っています。
1.ピッキグ時は処方箋の情報より、オーダー情報をスマートデバイスに取り込み、処方箋情報と医薬品のバーコードの認証を行います。
2.最終監査時には施用ごとに医薬品、薬袋をバーコードで認証し、お薬手帳ラベル、お薬情報シートもバーコード認証し、確実に患者さんの元にお渡ししています。
アンプル払出装置
袋とじ方式による完全な施用単位での払出
電子カルテのオーダー情報より施用単位でアンプルバイアルを袋詰めする装置。
専用トレイから患者施用ごとに病棟単位で払い出されます。その後プラボトル等の製剤をヒトが認証システムで照合しセットされます。
病棟薬剤師が最終監査を行い袋とじされた施用単位の注射薬は投薬前まで開封されたないため病棟での入れ間違えや取り揃え業務の軽減など成果があがっています。
注射返品薬自動仕分け機
大量に返品されるアンプル・バイアルを自動仕分け
大量に返品されるアンプル・バイアルを専用トレイに入れスイッチを入れると注射薬のバーコードと画像で自動認識し、ロボットが注射払出機用のトレイに収納するシステム。
システムが注射薬の有効期限を画像判別(OCR)し、GS1コードにより薬品を同定して収納します
使用期限をシステムが管理しているので短い薬品は優先的に払い出されます。
返品された注射薬の確実な仕分けにより仕分け業務の効率化を実現し注射薬の戻し間違えのリスク軽減、薬剤師によるWチェックの必要がなくなりました。
持参薬鑑別支援装置
電子カルテと連動し鑑定結果が電子カルテ持参薬報告書として作成され、持参薬処方が容易に行える。
持参薬をCCDカメラで読み取り、その画像情報の薬品コードをOCR処理し、「形状」「色調」、「刻印」、「プリント」を解析して薬品DBに情報をリクエストし薬品判別を行うシステムです。鑑定結果が持参薬報告書として電子カルテに作成され、持参薬オーダーが発行できるシステムです。
スキャンできるのは薬品本体のみ、PTP包装の薬剤はハンディスキャナを使用して鑑定します。
システムが薬品を鑑定後、用法等の必要な情報を入力し持参薬報告書が作成されます。作成された持参薬報告書はボタン1つで電子カルテに持参薬報告書として記録(転送)されます。持参薬報告書を元に医師が必要な持参薬を電子カルテでオーダーできるシステムです。
注射ラベルのカラー化
カリウム製剤、眠剤、抗精神病薬を色で識別
カラーラベルプリンターを使用することにより見落としがちな重要な情報を色で表現し視認性向上により、医療現場での取り違いやミスを防止することで医療安全の向上に繋げられます。
その他のシステム
- 麻薬管理システム
- 血液製剤管理システム