概要
CTとはComputed Tomographyの略で、日本語ではコンピュータ断層撮影です。CT検査はエックス線を使って身体の断面を撮影します。わずかなエックス線の吸収差を画像化することができ、体の中の構造を詳しく調べることができます。また、造影剤という検査薬を静脈から注射することにより、単純撮影(検査薬を使わない撮影)だけでは、見分けることが難しい病変や血管の走行等も知ることができます。
原理
エックス線は身体を透過しますが、組織や臓器によって透過しやすさは異なります。CTは連続的に管球から照射されたエックス線を反対側の検出器でデータを収集し、コンピュータで処理することによって、透過しやすさを、黒から白の階調(グレースケール)として表示します。
CT画像では骨のようにX線を透過しづらいものが白く、空気などX線の透過しやすい部分は黒く表示されます。また、この2つの中間部分の内臓や筋肉などは、灰色で表示されます。
検査方法
CT検査は造影剤を使用しないで検査する単純CT検査と、造影剤を使用する造影CT検査があります。
造影剤とは?
造影CT検査には、飲む造影剤と注射する造影剤があります。飲む造影剤は、胃・腸などの消化器がわかりやすくなります。注射する造影剤は静脈内に注入されるもので一度に注入するか、点滴で注入します。その方法や量は患者さんの検査部位や体重によって異なります。この場合は、血管内や各臓器の血流の状態がわかり、診断の上で欠かせない情報ともなります。しかし、全ての患者さんに行われるわけではなく、主治医が診断上必要と判断した場合に行われます。
どうして造影剤を使用するの?
小さな病変は正常組織や臓器とのエックス線の透過性は、ほとんど変わりません。単純CT検査だけでは、診断が難しいことがあります。造影CT検査は、病変の発見や腫瘍の良悪性や進行度合などの鑑別、治療方針の手助け、緊急な診断を要する外傷、血管性病変(動脈瘤・解離・出血・血栓症など)の描出などに有用であるといわれており、全身の様々な部位の検査において、造影剤が用いられています。
造影剤による副作用は?
静脈に注射される造影剤は、ヨード造影剤であり、腎機能が正常であれば注射後6時間後で、約90%が腎臓から尿として排泄されます。造影剤を注入すると身体がポカポカと熱く感じることがありますが、すぐに消失しますので心配しないでください。
検査中に気分が悪くなったり、じんましんが出たり、かゆくなったりすることがあります。きわめて稀ですが冷や汗が出たり、胸が苦しくなったりすることがあります。そのようなときは、マイクを設置していますのでいつでも話しかけてください。適切に対応しますので安心して検査をお受けてください。
検査後から数時間~数日後に体がだるくなったり、頭痛がしたり、じんま疹などがでることがありますので、そのときは遠慮なく申し出ください。
注意事項
造影剤を用いて検査を受けられた方の中には、検査終了後にきわめて稀ですが副作用が現れる方がいます。症状が出るまでには、数時間から数日と幅があります。副作用は軽い症状が多いですが、頭痛・吐き気・発疹やかゆみなどの症状が現れることがあります。症状がみられましたら当院へご連絡ください。
注射する造影剤のほとんどは尿と一緒に排出されます。排出を促進するため、造影検査終了後は水分(水、お茶、清涼飲料水等)を多めにお摂り下さい。なお、水分制限のある方はお知らせ下さい。
検査前に知らせてください
造影CT検査を受ける方で下記に該当する場合は、主治医または、看護師にお知らせください。
※場合によっては慎重に投与するか、造影剤を使用しないで検査を行う場合があります。
- 以前に造影剤を使って具合が悪くなったことがある。
- 本人または兄弟・両親がぜんそく(ぜんそくの経験者も含む)。
- 食べ物アレルギーや、薬のアレルギー、花粉症、アトピー体質。
- 心臓病、腎臓の病気がある。
- 糖尿病の治療を受けている。(お薬手帳を見せてください。休薬の必要な)
- 妊娠または妊娠の可能性がある。
使用装置
小さな病変は正常組織や臓器とのエックス線の透過性は、ほとんど変わりません。単純CT検査だけでは、診断が難しいことがあります。造影CT検査は、病変の発見や腫瘍の良悪性や進行度合などの鑑別、治療方針の手助け、緊急な診断を要する外傷、血管性病変(動脈瘤・解離・出血・血栓症など)の描出などに有用であるといわれており、全身の様々な部位の検査において、造影剤が用いられています。
検査の流れ
- 造影検査を受ける方は、外来にて、造影剤注入のための点滴を受けます。
- 検査室入室 衣服や体についている金属類などをはずします。場合によっては検査衣に着替えます。
- CT装置の寝台に寝てください。
- 担当の放射線技師が患者さんの位置を決めて検査が始まります。
- 胸部や腹部などの呼吸によって動きのある部位では画像のボケを防止するため呼吸をとめて検査します。アナウンスに合わせてください。
- 検査中に気分が悪くなったり、痛みを感じたら、マイクが設置してありますので我慢せずにすぐにお知らせください。