MRI装置

概要

MRIは、Magnetic Resonance Imagingの略で日本語では磁気共鳴画像法といいます。強い磁石と電磁波を利用して体内の水(水素原子核)の挙動を画像化する検査法です。X線を使用していないため放射線被曝はありません。あらゆる断面が容易に観察できる・いろいろなコントラスト情報が得られる・造影剤を使用せずに血管走行や血流の把握ができるなどの利点がある反面、検査時間が長い・動きに弱い・騒音や密閉感があるなどの面もあります。

MAGNETOM Altea 1.5T

検査方法

安全に検査するために、検査着に着替えてから検査になります。検査は検査台に寝ていただき磁石の埋め込まれたトンネル状の装置の中で撮影します。撮影が始まると、工事現場のような大きな音がしますがヘッドホンで聴覚を保護いたします。体が温かく感じることがありますが、電磁波による影響です。ごくまれにピリピリとした皮膚感覚を感じることがありますが、磁場変動によるものです。いずれも通常安全ですが、撮影前に【緊急用の呼び出しボタン】をお渡ししますので、不快を感じた場合は鳴らして知らせて下さい。検査時間は、内容により異なりますが約20分(頭部、背椎、腹部など)~約60分(血管、心臓、造影検査など)程度かかり、その間決まった姿勢のまま軽く固定をした状態で動かないでいただく必要があります。小さなお子さんの場合、薬を使って眠っていただく処置が必要になることがあります。事前にMRI室を見学することも可能ですし、検査の内容にもよりますが、お気に入りの音楽CDをお持ちいただければ聞きながら検査をお受けいただくこともできます。

注意事項

MRI検査は、強力な磁場環境で行うため、問診票による体内金属チェックが必要になります。

以下に該当する方は、当院ではMRI検査出来ません。

体内に心臓ペースメーカーなど生命維持のための埋め込み型電気電子機器を装着している方。
手術等によりMRI非対応の金属が身体内に埋め込まれている方。

次に挙げるものは、故障・やけど・画像への影響の可能性がありますので検査前に取り外していただきます。

金属類

補聴器・携帯電話・腕時計・入れ歯・金属の付いた衣類や下着・安全ピン・かつら・コルセットなど

貴金属類

ネックレス・ヘアピン・ピアス・指輪など

健康器具

置き針・エレキバン・使い捨てカイロ・パワーアンクル(重り)など

磁気カード類

クレジットカード・キャッシュカード・診察券など

化粧品類

ラメ入りのメイク(アイシャドウ・アイライン・マスカラなど)

その他

保温下着/遠赤外線下着・湿布・カラーコンタクトなど

造影検査

MRIで使用される造影剤はガドリニウム製剤です。造影剤を使用することでコントラストが高くなり診断能が向上されます。造影剤は静脈に点滴して、その点滴から体内へ投与します。安全に検査を行うために造影剤を投与する際は医師と看護師も立ち会い検査を行います。
使用された造影剤はほとんどが尿中へと排泄されます。

造影剤の副作用について

Gd造影剤による副作用発生率は、軽度な副作用を含めると0.04%~2.4%と報告されています。重篤な副作用発生率は0.0025%~0.0052%と報告されています。

1)即時型副作用(投与開始より1時間以内)
ショック・アナフィラキシー様症状(血圧低下・呼吸困難・喉頭浮腫・蕁麻疹・咳嗽・気管支痙攣・蒼白 などの報告がされています。

2)遅発型副作用(投与開始より1時間〜1週間経過後)
まれに発熱・発疹・悪心・血圧低下・呼吸困難があらわれるとの報告があり、症状があらわれた場合は、当院までご連絡下さい。

3)超遅発型副作用(検査後1週間以上)
腎障害のある方は腎性全身性線維症:NSFの発現リスクが高いとの報告があります。(初期症状:疼痛、腫脹、紅斑、搔痒感を通常下肢から発症)○上記の症状があらわれた場合は、当院までご連絡下さい。

4)血管外への造影剤の漏れ:疼痛・出血・痺れなど。自動注入器で注射をすると血管の外に漏れることがあります。

5)その他:注射部位あるいはその周辺部位の疼痛・しびれがあります。その他、予測できない副作用の可能性があります。

6)授乳中の方は、検査後の授乳について医師にご相談ください。

造影検査後のお願い

造影剤は身体によいものではないため、造影検査後は水分制限が無い限り十分に接種し体外へ排泄するようにしてください。

使用装置

最新の磁気共鳴診断装置を導入

当院では患者さんに丁寧かつ安全・安心で質の高い医療を提供するため、計画的な医療機器の更新を進めています。この度、その一環として磁気共鳴診断装置(MRI装置)を最新の機器に更新し、令和5年6月19日より稼働しております。

特徴

「MAGNETOM Altea」はAI技術(Deep Resolve)を搭載しており、鮮明な画像(高分解能)を短時間(高速撮影)で得られるようになりました。また従来のMRI装置と比べ、マグネットの開口部は大きく、長さは短くなっている為、開放的な環境でより楽な体位で安心して検査をお受けいただけるシステムとなっています。検査時に発生する音も従来よりも静かになっており、心理的負担を軽減するとともに、音による体動のリスクや検査中止のリスクの低減にも有効です。

MRCP画像(MR胆管膵管撮影)

旧型装置 : 撮影時間4分
新型装置 : 撮影時間2分

新型装置は旧型装置と比較して撮影時間が短いが、鮮鋭度が高く細い胆嚢菅が明瞭に描出されています。

MRI画像

頭部血管(非造影)
下肢動脈(非造影)
冠状動脈(非造影)
前立腺フュージョン
全身DWIBS
全身フュージョン