作業療法について
当病院には令和5年4月1日現在19名の作業療法士が勤務しています。(うち1名岡谷市子ども発達支援センター出向中)対象疾患は、中枢神経疾患、整形外科疾患、内部機能障害による廃用症候群の患者さんです。病気やけがによって、食事や入浴、更衣といった『作業』活動が困難になった時、作業療法士は医学的視点から分析して、その人なりの、その人らしい生活が『作業』を通じて送れるように支援していきます。
中枢神経疾患
脳梗塞、脳出血が原因で手足が動きづらくなる症状を運動麻痺と言います。作業療法士は上肢の運動麻痺に対して機能回復を図るために、姿勢・動作分析、筋緊張評価、神経生理学の知見から原因を考察し介入していきます。
運動麻痺以外にも記憶障害(出来事を忘れる)遂行機能障害(手順決定の困難)失行症(道具操作の困難)などの症状を呈することがあります。このことは、日常生活に支障をきたし、家庭内・社会的役割の喪失にもつながります。そのため、生活に不可欠な更衣・食事・入浴など実際場面を想定した練習を行い、在宅復帰に向け援助します。また、必要に応じ福祉用具の提供、自動車の運転復帰に向けて評価や練習を支援するドライビングシミュレーターを導入しています。
整形外科疾患
当整形外科に内山茂晴医師をはじめ上肢専門の先生方が赴任され、今まで以上に【手外科】分野の手術が多く行われるようになりました。具体的には骨折・脱臼、腱断裂、靭帯損傷、腱鞘炎、末梢神経損傷等です。主治医の指示のもと、患者さん一人一人の症状に合わせて、スプリント(手の装具)を作成することもあります。
外傷による骨折では、安静期間があり関節拘縮、腱癒着が起きることがあります。その際には、徒手的な可動域練習や上肢機能練習、自主練習の指導を行います。練習メニューや注意点・禁忌事項などをプリントし、セラピストがいなくても安全に自主練習が行える様な関わりもしています。
廃用症候群
内部機能障害を呈し長期臥床によって、関節拘縮、褥瘡、体力活動力低下、筋力低下の症状がみられ日常生活に困難が生じます。そこで、臥位姿勢、車椅子姿勢のポジションから日常生活活動練習などを通し、徐々に活動量を上げ、日常生活に戻れるように援助していきます。